有病率を見ても明らかですが、統合失調症という病気は、決して特殊なものではありません。
もっと身近な、私達の周りにも、そして私たち自身にも存在しうる病気と考えていいかと思います。
有病率0.5%~2%という数字がどの程度なのかというのを認識するため、他の病気の有病率の例を挙げてみましょう。

まず、喘息。
学校のクラスメートの中に、恐らくは一人や二人はいるのではないかと思われる病気ですね。
この喘息で、有病率3%程度と言われています。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍で、1~2%です。
つまり、こういった病気と統合失調症はほぼ同じ割合、同じ数の患者がいるということです。

喘息や胃潰瘍が特殊な病気であるという認識は、まずないかと思います。
ありふれた、よくある病気のひとつですよね。
つまり、統合失調症もまた、そういう病気の中のひとつという事です。

統合失調症は、非常に複雑な病気です。
精神疾患自体がそういう傾向の強い病気で、ひとつの病名で括ってはいても、原因、症状、治療方法は全く異なるというケースは珍しくありません。
実際、優秀な精神科医の方はひとつの病気で括る事はせず、その患者独特の治療法を模索するために、様々な質問をぶつけると言います。
人の数だけケースがあるというのが精神疾患の特徴と言えるでしょう。

ただ、それはあくまで治療を視野に入れての事で、解説として語る上では少なからずカテゴライズが必要です。
ここでは、統合失調症の分類について、すこし触れていきます。

統合失調症の分類の中のひとつである、「妄想型」は、その名の通り妄想が病気の直接的な要素となります。
世の中には、妄想癖という癖があるくらい、妄想自体は普通にまかり通っているものですよね。
実際、妄想をしない人間なんてまずいません。
これが病気と言われれば、世の中の人間全てが病気という事になります。
従って、ただ妄想しているだけが統合失調症というわけではありません。

妄想型というのは、妄想の世界と現実の世界の境界がわからなくなった人が主に該当します。
妄想というものが頭の中で描かれた虚構の世界であるということを理解できなくなったり、理解はしていてもそれが現実であるかのように振舞う事しかできなくなった場合に、統合失調症であると判断されるようです。
このタイプの特徴は、自閉的にはならず、社交的な状態でも進行しているという所です。
実生活では普通に振舞っている状態でも、誇大妄想、被害妄想といったものがとあるきっかけで暴走するケースなどがよくあります。

統合失調症は、決して特別な病気ではありません。
その証拠のひとつと言えるのが、「有病率」と呼ばれるものです。
有病率とは、ある特定の場所における疾病者の割合を指す言葉です。
これと同様に、一定期間に初めて発病した患者の割合を指す「罹患率」というのもあります。

では、統合失調症の有病率はどの程度なのでしょうか。
区域で特別な偏りがあるわけでもなく、大体0.5~2%となっているようです。
2%というのはどういう数字なのかというと、とある町で検診を受けた人が1万人いたとしたら、その内の200人が該当するという割合です。

統合失調症における分類のうち、破瓜型は比較的低年齢層に発生するタイプと言われています。
「解体型」とも呼ばれている破瓜型の統合失調症は、思春期前半から発症するケースも多く、大体15~25歳くらいの年齢の方が多いと言われています。
日本人の統合失調症患者の中では、破瓜型はかなり多い方ですね。
つまり、日本は比較的この破瓜型に陥りやすい環境であるという見方もできます。

破瓜型の特徴は、感情表現の欠落にあります。
初期症状として見られるのは関心や意欲の低下で、何に対しても無気力になってしまうというケースが多いようです。

統合失調症と一言で言っても、その分類は結構多いのですが、その中には日本では多い症例のものもあれば、極めて少ないものもあります。
緊張型と呼ばれるものは、統合失調症の中にあって日本ではかなり少ない部類に入る病気です。

緊張型は、20歳前後の方がよく発症する統合失調症のひとつで、近年ではかなり稀なケースと言われています。
現代においては、環境的にあまり緊張型の原因となるものが多くないという事なのでしょう。

緊張型の特徴は、所謂突発性の感情暴発です。
つまり、いきなり理由もなく興奮し、怒号を発し、情緒不安定になるというタイプの統合失調症という事になります。

統合失調症の厄介なところは、治療を続ける最中に別の症状が現れる事もあるという事です。
精神疾患なので、完全治癒をレントゲン写真や血液検査のデータなどからはっきりと確認する事はできません。
その為、治ったと思ってもまた発症したり、治す途中で治療法があっておらず、ストレスからまったく別の精神疾患を患ったりするケースというケースは少なくないようです。

その中にあって、統合失調症は特にそうしたケースがよく見られます。
分類が多いことからもわかる通り、統合失調症は複数の疾病を抱える事もありえます。
また、その治療の中で、別の分類の統合失調症が発症する事もあるようです。
その例としてよく挙がるのが、「残遺型」と呼ばれるタイプです。

統合失調症は、精神疾患の中でも比較的広いカテゴライズの病気です。
その為、分類も多いのですが、それ以上に症状が非常に多種に渡っています。
そして、同時にその数だけ治療法があると言えます。
これは、通常の病気とはやや異なる点と言えます。

例えば、風邪の症状は、熱、喉の痛み、咳、鼻水、寒気、胃や腸の痛み、関節の痛み、頭痛、食欲不振など非常に多いものの、基本的には個別で見る事なく、風邪として全て同じ治療法を用いられますよね。
しかし、統合失調症の場合はそういうわけにはいきません。
症状にあわせた治療法が必要となります。
その為、統合失調症はまず自分自身がどういった症状を患っているかという事をしっかり把握しなくてはならないのです。
難しいですが、これができなければ、なかなか治療は上手くいかないでしょう。

統合失調症は、5つの分類がなされていますが、場合によっては4つとみなされている事もあります。
実際には4つである事が多いようですね。
では、5つの中の何が数えられないケースが多いのかというと、「単純型」と呼ばれるタイプの統合失調症です。

単純型は、破瓜型に吸収合併して認識されている事が多いタイプです。
つまり、単純型は破瓜型の一種という感じです。
破瓜型の進行速度が緩やかな状態を、単純型と呼ぶようです。

進行速度が遅いというのは、一見早いよりはいいと思われがちですが、実はこと統合失調症に関しては厄介な事が多いのです。
精神疾患全体にいえることですが、緩やかな変化の場合、多くの人がそれを病気だと認識できないからです。

統合失調症の症状を大きく分類すると、陽性症状と陰性症状の二つに分けられます。
これは、別に陽性だから良い、陰性だから悪い、という事はなく、症状によって二つに分けているというだけです。

例えばエイズなどで陽性、陰性という診断結果がありますが、この場合は陽性だとその病気であると診断されたという事であり、陰性だと違うという診断結果が出たという事になりますよね。
しかし、統合失調症の陽性症状と陰性症状は、この類ではありません。

統合失調症における陽性というのは、現実ではない部分における症状を指します。
つまり、幻覚、幻聴、妄想といった症状です。
精神疾患において、最も他者の理解を得にくい症状と言っていいかもしれません。
だからこそ厄介であり、専門的な治療が必要となってきます。